死に至る病気をクスリで救えるのなら、副作用が有ってもメリットがあります。それが拡大解釈で、安易に使い過ぎることによる弊害が起きています。
もともと医学が発達する前の人間は、体の異常が有れば、経験の中から発見した、効能を持つ薬草や鉱物等を利用し、病気を治していました。
その後体系化された医学は東洋医学として始まり、自然と共存していた時代は、十分治療効果が期待できました。さらに近代化が進み、300年ほど前より西洋医学が出現し、徐々に西洋医学が主流となります。衛生環境が劇的に変わり、致死率の高かった感染症も治すことが出来るようになりました。病気の原因が解明され、効果のある新薬が次々と開発され、新しい治療法も生み出されました。
新しい医学が体のしくみを解き明かし、全ての病気が根絶できるのでは、と思わせるほどの目覚ましい進歩を遂げることになります。
西洋医学は根底に自然を征服したいという西洋思想があり、文明の発展が利便性や物質至上主義と引き換えに、精神性の劣化や自然破壊等の弊害を生みだしました。
西洋医学にも同じことが言えます。西洋医学が進歩しているにも関わらず、病気や病人は減らず、かえって増えていると感じます。このことは結局、間違ったクスリの使い方が、副作用のリスクを高め、効果より体のダメージの方が強くなっていることを表しています。
クスリは必要最小限で、悪化しないよう一時的に使用することでしか生かせない。これで治らなければ、根本的な治療法を選択する必要があります。
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