治療実績

治療実例/アトピー性皮膚炎

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病気情報:後天性のアレルギー疾患

患者情報:20才、男性、学生。寮から学校に通う。定期的にクスリをもらいに通院。

患者病歴:中学生位からアトピー発症。それ以来対症療法的に症状を抑えるため、抗アレルギー剤・ステロイド剤・免疫抑制剤等のクスリ使用継続。高校3年生頃よりアトピー症状悪化。クスリの内服・外用を長期に使用するが、改善するどころか却って悪化。皮膚炎やかゆみもひどくなり来院。

治療経過:2018.07.05より治療開始。当初は週2回とする。
08.23:皮膚炎・かゆみの軽減により、全てのクスリを中止する。今後発症した場合は一時抑えとして、症状に見合う最小限の効果のクスリを使用する。
10.11:下肢のかゆみが発症。ステロイドを一時抑えで使用。

2019.01.21:冬場の乾燥で症状少々悪化。ワセリンで効果なく、抗ヒスタミン薬を使用。
02.07:試験等が重なり、疲労からの免疫低下が考えられ症状悪化。ステロイド使用。
04.01:アレルギー体質の改善効果が見られ、クスリの使用回数も減り、かゆみも軽減。
10.01:皮膚の発赤も見られなくなり、気になるかゆみは、ほとんど発症しない。
12.12:アレルギー症状は起きないが、疲労、ストレスから斜視発症。
2020.01.23:実習、試験等が続き体がダメージを受け易い状態であったが、アレルギーも発症しても一時的で回復、斜視も改善する。
03.16:卒業し、地元で就職することになり、治療終了。

治療結果の考察
病気発症より4~5年間、5種類程度のクスリを使用続けていて、治るどころかさらに悪化している状態から、不安を抱えた状況で来院した。

過去の経緯から、明らかにクスリの副作用により、症状が悪化していると考え、クスリを中止しても維持できる状態まで改善することを当面の目標に治療を始める。

クスリは病気の症状を一時的に抑える道具に過ぎない。体にとっては異物であり、生理や毒性による副作用から、多くのデメリットがある。

今の状態は、初期のクスリで抑えられた状況から、漫然と使用し続けることで慢性化し、副作用も表面化することで、治癒力が低下し症状が悪化した。

治療を始めてから1カ月程度でクスリを中止することができた。これによりクスリの回復を妨げているリスクが減り、確実に治療効果が上がってきている。ただ、生活状況により、病態の変化は免れないので、悪化を避けるために一時的にクスリの力を借りる。アレルギー症状は既に十分改善されているが、生活状況は決して健康維持に十分といえるものではないので、再発予防も含めさらに治療を継続した。

アレルギーは西洋医学で治すことはできないが、後天的に発症したものであれば、必ず原因が有るので、治癒力を高めることで治すことは可能である。このことを、この治療によって証明できたと考える。

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この記事を書いた人

増田 健治(院長)

ますだ鍼灸院の増田健治(ますだけんじ)です。薬剤師として長く勤める中、薬で病気は治せないと考え、東洋医学的治療をするために鍼灸師になりました。

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