コラム

漢方医学と鍼灸医学の違い

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    漢方医学は東洋医学で、証に合わせて、漢方薬を選択することを目的とした医学であり、治療医学ではありません。

    漢方医学は、体質と症状により「証」を決め、漢方薬を選びます。漢方薬は薬用植物・鉱物を使い、含まれる薬の種類は元々決まっていて、「気」「血」「水」を調節することで、治癒力を高め、病気の回復を促します。使用する植物は薬効があり、自然のものではありますが、体にとっては異物ですので、副作用があります。新薬と比べると副作用は少ないですが、同じ漢方薬を長期に使用する場合は「証」が変わることで、副作用が出易くなりますし、「証」に合わない漢方薬を選択した場合は、悪化することもあり、注意が必要です。
    現在、139種類、医療用漢方薬として病院でも処方されていますが、病気の症状を抑える病名を基にした対症療法的な使い方が多く、前述したような、その人の「証」に合わせた本来の東洋医学的効果は、期待できないと考えています。

    鍼灸医学の灸は、「ツボ」や患部に灸をし、熱を利用した医学です。

    基本的には熱とその刺激により、冷えをとり全身のバランスを改善することで、治癒力を上げて健康に導きます。ただ、熱を加え過ぎた場合の体の負担と、もぐさを使用した場合、匂いが残ったり、アレルギーのリスクがあります。当院では、強い冷え等、灸でしか効果が期待できないもの以外は、「ツボ」に対する刺激の程度や効果の差は無いとの考えを基に、鍼で代替できると考えています。

    鍼治療は東洋医学で、「ツボ」に鍼を使い、皮膚の刺激を利用した治療医学です。

    根本的な治療を目的にした本治的治療が、本来の東洋医学の考え方です。病気が発症しているときには、必ず体表に歪みが発生していて、その歪みが「ツボ」であると考えられています。歪みの程度は、体表の皮膚や筋肉の異常な部位を探り判断できますので、そこの状態を変化させることが、内臓機能低下や神経異常等の改善効果につながります。この生理的反応は科学的にも証明されていて、鍼治療は、それを有効に利用しています。
    その体表の歪みに対して鍼を当てることで、自然治癒力にスイッチが入り、原因が改善されることによって、病気が治ることになります。鍼治療では、鍼の操作方法、鍼をどこに当てるか、が最も重要です。
     治療効果の程度は、体表の変化を見ることによって、判断することが出来ますので、的確な対処により治療中でも直ぐに効果を出すことが可能ですし、慢性疾患に対しても、一定の期間の継続により、確実に健康に導くことが出来る治療法だと考えています

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    この記事を書いた人

    増田 健治(院長)

    ますだ鍼灸院の増田健治(ますだけんじ)です。薬剤師として長く勤める中、薬で病気は治せないと考え、東洋医学的治療をするために鍼灸師になりました。

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