治療実績

治療実例/右わき腹痛

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右わき腹痛(原因不明)

病気情報:2020.10頃より軽い痛みはあったが、今年に入り痛みが悪化したため、病院を数件回り検査したが、原因が解明できないため、病院では治療不可。

患者情報:72才、男性、無職。他の病気で2カ月に一度、検査とクスリを処方して貰うために通院。

患者病歴:10年位前より慢性疾患のクスリ服用。降圧剤・糖尿病薬コレステロール薬等7種類を服用継続。昨年末に脳血管に微小梗塞が見つかり手術。12.20 ~ 01.13まで入院。右わき腹痛に鎮痛剤時々使用。激痛で眠れない病状となり来院。

治療経過:2021.02.15より治療開始。一定の効果がでるまで週2回で治療予定。全身が緊張による筋肉の張りをみとめる。治療終了後は右わき腹痛消失。さらに筋肉の緊張がゆるみ体が楽になる。

02.18:前回治療後、右わき腹痛は再発していない。ただ、背筋の緊張があり治療。緊張がゆるみ楽になり改善。
02.22:前回治療3日後に右わき腹痛再発。ただ今日は痛み治まっている。
03.25:治療開始後、右わき腹痛は消失・再発を繰り返し、再発でも軽い痛みであったが、一カ月経過した今は、患部は違和感のみでほぼ治まっている。
04.01:今後、わき腹痛の維持と慢性疾患の治療を目的に継続。
04.15:コレステロール薬は服薬中止。降圧剤・糖尿病薬は一種類ずつ減量し、症状や数値を確認しながら中止でも数値が悪化しないことを目標に治療。
04.26:降圧剤は服薬中止、血圧は150前後で安定。糖尿病薬は一種類に減量、血糖試薬でまだ高値なので継続。
05.17:血糖値下がり、服薬中止し様子見る。
05.31:血圧・血糖安定したため全ての服薬中止。
06.21:病院での血液検査で数値が安定、右わき腹痛も改善していることから治療中止する。

治療経過の考察
西洋医学的には、検査をして、発症している原因が突き止められなければ、病名が付かず治療ができない。東洋医学では、病名と原因を特定する必要はない。体質と症状だけが分かれば治療可能である。
この症例は、西洋医学の限界と無力さの一面を現している。と同時に、このような症例こそ、東洋医学でしか治療ができないし、存在価値がある。

右わき腹痛は1~2カ月でほぼ治ってはいるが、健康な状態になったとは言い難い。手術の後遺症、慢性疾患の病態そのものか、クスリの副作用が一因だとしたら、再発する可能性があることから、こ
の慢性疾患を治療し、服薬を中止する必要がある。

まずは患者さんに、この病気の原因も治る要因も、全ては自分の生活習慣・環境にあるとの認識をもってもらう。その上で、鍼治療により治癒力にスイッチが入り、病気の原因が修正され、体が元の状態に戻る。結果的には、自律神経のバランスが取れ、循環系・代謝系・消化器系等が改善されることで、慢性疾患の改善が見られ、検査数値も正常状態となった。

服薬を中止したことで今後の副作用のリスクは減ったが、まだ十分な健康体とは言い難く、治癒力の低下する悪い状況に曝されると、再発の可能性があるので、いかに良い生活習慣・環境にするかが今後の課題と考えられる。

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この記事を書いた人

増田 健治(院長)

ますだ鍼灸院の増田健治(ますだけんじ)です。薬剤師として長く勤める中、薬で病気は治せないと考え、東洋医学的治療をするために鍼灸師になりました。

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